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11月28日開催のとまり木について

 投稿者:とまり木@阪南中央病院  投稿日:2018年12月 5日(水)20時05分15秒
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  11月28日に開催されたとまり木についてお伝えします。

◆「脱ステの総論」について佐藤先生の講話◆

佐藤先生の著書「患者に学んだ成人型アトピー治療‐脱ステロイド‐脱保湿療法」の重要な点を解説していく。

【1】脱ステロイドとは
脱ステロイドとは、ステロイドをなくすということだが、基本的には2つの意味がある。

1つ目はステロイドの物質としての科学的な構造物が無くなることである。
皮膚に塗っていたものを塗らなくすれば、なくなっていくはず。最後には化学物質がなくなる。
2つ目は、生態機構の攪乱がなくなり、元の状態に戻っていくこと。

これらが、どれくらいの期間でなくなっていくのか。

1つ目の意味「化学物質」
ネズミを使った動物実験で、ネズミの皮膚にステロイドを塗り、塗った日を100%としたら、4日後には塗った濃度の10分の1にあたる10%になっていた。8日後には4日後の2倍なので1%になる。0.001%になるには、4日後の5倍である20日後ということになる。
つまり、塗ったステロイドは20日経てば、だいたい無くなる。
塗ったステロイドはおおよそ1か月無くなると思ったらいい。

2つ目の意味「生態機構の攪乱」
これについては全く分かっていない。
どんな攪乱があるかというと、ホルモンの影響がある。

・生理が止まる
・妊娠していないのに乳が出る
等である。

他には、尿を出さないようにするホルモンの値が異常に高くなっている人が多い。
だいたいの人は皮膚が良くなると戻るが、かなり高い値で残っている人もいる。
これがいつまで元に戻らないかは不明。(これを研究している人がいないため)


【2】脱ステロイドを行う心構え
脱ステロイドにあたってどんな心構えが必要か。
脱ステロイド治療とは、アトピー性皮膚炎の治療ではなく、ステロイドによる副作用の治療ということを理解するのは重要なことである。
大変つらい治療であり、特に開始直後がきつい。治っていく段階で、痛み、痒みが強くなる段階が出てくる。
こういう経緯が起こることを分かっていなければ、失敗する。
失敗しないためには医師のサポートは重要。

【3】脱ステロイドの継続
脱ステロイドは、日常生活をきっちりコントロールしていかないとできない。
例えば、早起き、運動、水分制限、食事、入浴の時間と温度調節等である。
よって、ずぼらに手を抜きながらは出来ないため、ずぼらな人は挫折しやすい。

【4】保湿について
脱ステロイドを行うにあたって、保湿が問題になるということをよく理解しなければならない。
ステロイド依存症の人は、同時に保湿依存症を併発している。世間一般では、アトピーは乾燥肌だから保湿をすべきと言われ、保湿のための商品もありふれているが、それを使うと大変なことになる。
世間で言われていることと真逆のことをしていかないといけないため、保湿に関する考えをしっかり理解しておかなければならない。

【5】食事について
【4】と同様。○○を摂ると良い、または悪いといったことを信用してはならない。
(サプリメント、L92等)様々な宣伝や情報を信用しないことが大事である。

【6】ステロイドをやめる方法
ステロイドをやめる方法は2つある。
1つ目は突然やめる方法、2つ目はゆっくり徐々にやめる方法である。

ただ、その前にまず保湿剤を塗っているかいないかを先に考える。これは保湿依存の問題があるからだ。ステロイドと保湿、両方を塗っている人の場合は、まずその保湿を断つ必要がある。
保湿剤をやめると、ステロイドだけを塗っている状態になるが、実はステロイドを塗ることも保湿になっている。
しかし、少しでも余計な保湿を取り除くために、まず保湿剤をやめる。
その上で、ステロイドを突然やめるか、ゆっくりやめるか選択する。

1つ目の突然やめる方法については、上記で述べた保湿依存の問題があるので、ステロイドをやめるなら保湿剤も同時にやめ、できるだけ保湿をしない方向にもっていく。

2つ目の徐々にゆっくりやめていく方法にどんな概念があるかというと、

1.毎日塗っていたら1日おきにする等頻度を減らす。
2.全身に塗っていたなら、体の半分にする等、塗る面積を減らす。
3.湿疹に対し、塗る量を減らす。単位面積あたりの量を減らすということである。
 例えば、体幹前面あたり10g→5gに減らす等である。

この2つのやめ方が、全ての人に適応できるわけではない。ステロイドをやめるとかなり痛くなるので、子供に関しては保湿をしてあげないとうまくいかない場合もある。相手を見ながら対応していく。

【7】脱ステロイドの成功率について
脱ステロイドの成功率がどのくらいあるかということだが、脱ステの論文を書いていた当時、既に脱ステをやっていた病院がいくつかあった。そのデータを見ると、脱ステロイドだけでの成功率は50%程度であった。
私がステロイドだけでなく、保湿もやめることを強調している理由は、脱保湿も行うと急激に成功率が上がり、大方100%となったから。それくらい保湿が重要な問題ということを示している。

非常に重症な人でも、2か月程あれば仕事に戻れるくらいになって退院する。
ポイントは、脱ステロイドだけでなく、脱保湿をしなければならないことである。

【8】ステロイドの副作用の悪化か、もともとのアトピーの悪化かを見分ける方法
一旦良くなってきたが再度悪化した場合、それはもともと自分が持っていたアトピーの悪化なのか、ステロイドの副作用なのかを区別するには、自分の湿疹が起こり始めた時のことを考えるようにする。
おそらく、普通はもともと持っていたアトピー性皮膚炎の好発部位(肘、膝、手首などに出る人が多い)に出る。この場合はアトピーが直接関係しているだろう。

ところが、以前よりも湿疹が起こりやすいということであれば、ステロイドの影響があって、抵抗力が弱いから悪化していることになる。
例えば、風邪をひいた時、好発部位だけが悪くなっていたら、アトピーだけが悪くなった、と考えられる。

脱ステしているとき、通常は全体的によくなっていき、後から好発部位が悪くなって出てくる。
しかし、これとは違って、好発部位が後から悪くならない人、こういった人の湿疹は副作用によって起こった悪化だけであろう。ステロイドを塗っている間に、もともとのアトピーは治っていて、薬をやめたら好発部位以外が一気に悪くなった。つまりそれは、アトピー性皮膚炎のみに対する治療ではなくて、副作用を抑えるために一生懸命ステロイドを塗っていたと考えられる。

よって、好発部位のみだと、アトピーが悪化した、好発部位とそれ以外だと、アトピーに加え、ステロイドの副作用も問題になってくる。そこを区別するとわかりやすい。


◆患者からの質問◆

・人によって、痒みの強さに違いはあるのか。
→痒みは自覚症状の問題。個人の感覚であるため、比べることはできない。
 私の痒みの感覚としては3種類ある。
 1.ピンポイント
 2.特定の面積
 3.どこが痒いか分からないが、触っているうちにどこか分かってくる痒み
他の人がどうかは知らないが、一度検討してみてほしい。


・脱ステの時の痒みと、元々のアトピーの痒みの違いはあるのか。
→病気の状態がどうかによって痒みの強さが違ってくるだけで、先程の部位の違いとは関係ない


・目から滲出液が出ている感覚があるが、これは目やに、滲出液のどちらなのか。
→目やには濁ったものが目頭に溜まるもの。滲出液だったら、濁ってはいないはず。それは眼球から出ているのか、皮膚から出ているか、よく観察することが大事。


・症状として目から滲出液が出ることはあるのか。
→瞼をひっくり返したら粘膜があるが、そこから滲出液が出ることはある。


・目が痒い時はどうすればいいか。
→まず痒み止めの目薬を使用してそこから経過を見る。内服の痒み止めは目にはよく効く。痒いからと言って目を叩くと、白内障や網膜剥離になるので叩いてはいけない。


・アトピーや脱ステの症状は粘膜には出ないのか
→アトピーの痒みと、粘膜の痒みは別の病気。
鼻の中には粘膜の弱い部分があるため、鼻を強くかむと粘膜が多少痛むので出血が起こることがある。


・脱ステをした人がいるが、経験者の自分達がアドバイスするより、入院などで先生に診てもらった方がいいか。
また、入院するにあたって、空きやすい時期はあるか。
→はい、より安全でしょう。空きやすい時期はわからない。


・入院前、脱ステと脱保湿は別々に始める人が多いか。
→入院したら、同時にやめてもらう。脱ステはしていたが、保湿をやめると急激に悪くなり入院してくる人はたくさんいる。


・首にコリコリしたしこりが最近増えた
→リンパ節でしょう。湿疹がよくなれば小さくなると思う。


・運動時、汗は出した方がいいのか。またその汗が保湿になる事はないのか。
(温かい服装をすると、保湿になるから薄着がいいのか。でも寒いと汗はでにくくなるし、結局乾燥させた方がいいのか。)
→アトピーの人は、汗が出にくいことが多いので、g汗を出しやすくするために運動をすることは良いことである。汗が保湿になる点は、服を着ている段階で元々保湿になっているので、汗が出たからといって気にすることはない。


・アミロイド苔癬ができやすい体質はあるのか。
→何か体質があると思うが、わからない。


・汗をかくことがいいのはわかっているが、汗の刺激で痒くなる。また、汗がしみて痛い。
→かく程度がどれくらいにもよるけど、汗が痒くてかいてしまっても、運動する方が早く良くなるように思う。
 運動の汗と、夏の暑さでかくじとーっとした汗は別物らしい。


・寒くなってきたので、シャワーの温度を上げてしまう。適温は何度か。
→温度を上げたら、皮脂が取れやすくなることを頭に置いたうえで、自分で考えて温度設定するしかない。


・休職して入院しているのだが、休職申請する時、脱ステが理解されにくく、認めてもらいづらかった。悩んでいる人が沢山いるのに、公にはならないのか。

→患者や経験者が一生懸命発信していかないと変わらない。


以上。質問もたくさん出て、有意義な時間となりました。
先生方、貴重なお時間を有難うございました。
 
 
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