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2019年(令和元年)7月5日開催「とまり木」について

 投稿者:秋山薫  投稿日:2019年 7月10日(水)19時51分45秒
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  2019年(令和元年)7月5日に開催された「とまり木」について、以下投稿いたします。今回のテーマは佐藤健二先生が脱保湿の手法を思いついた経緯についてです。

【脱保湿の手法を思いついた経緯】
■アズノールをやめたらよくなった子がいた
みんなに聞きたいことがある。からだをぼりぼりと掻くときに、湯船に浸かって皮膚が湿った状態で掻くのと、外で乾いた状態で掻くのでは、どちらがより傷つくだろうか。

さきに結論を言ってしまえば、湿っているときのほうが皮膚はより深く傷つく。

私が患者にステロイドをやめさせた最初の症例のことを話そう。あるとき「尋常性乾癬」という病名がついて他院から送られてきた患者がいた。全身からかさぶたが落ちている。ところが、じっさいにはアトピー性皮膚炎で全身にステロイドを外用していた患者だった。年齢は2歳半。成長障害が著しく、身長が低くて体重も少ない。あきらかにステロイドの副作用で副腎抑制が生じていた。

副腎抑制によって成長障害が起こっているので、しかたなしにステロイドをやめさせなければならないと思い、離脱させた。もちろん、いったんはきついリバウンドが起こった。ところが、診ていても離脱後いつまでも皮膚が赤いままで、症状が安定しなかった。

そうして、なかなかよくならない状態でその患児が転居し、別の医師が診るようになって音信不通になった。

ところが、しばらく経ってからその別の医師から聞いたところ、その患児はステロイド離脱後に使っていたアズノールをやめてみたら、すっかり皮膚の状態がきれいになったいうのだ。なるほど、そういうことが起こるのかと思い、このことだけは記憶に残っていた。

■子どものころに掻いていた記憶を思い出した
さて、それからだいぶ経ったある日のこと。ステロイド外用による全身の皮膚萎縮や毛細血管拡張などの、日本皮膚科学会でも認めるような典型的な副作用がひどく出ている子を診る機会があった。

症状を収めるという意味では、さらに強いステロイドを使う、あるいは外用の回数を増やす、もしくは全身に量をより多めに使うという方法がある。そうすればちょっとは症状はましになるだろう。けれど、ステロイドはどうせすぐに効かなくなる。それでは、次にどうするか。強度のランクを上げるか、量を増やすべきか。だが、もっとも強いランクのものを使っても、それが効かなくなったらどうなるだろうか。ステロイドの内服をするほかなくなる。それならばむしろ、あまり症状がひどくない段階でステロイドをやめてみるほかに仕方がない。そう判断してステロイドをいっさいやめさせた。

その当時は、ステロイドをやめるとひどい皮膚症状が出るので、離脱した患者には私も軟膏を処方していた。そうすれば痛みも多少は治まるから。そこでその患者にも軟膏を処方したものの、いつまでたってもよくならない。2~3週間もよくない状態が続き、ステロイドをやめてみたけれど、それ以上前に進まないというしんどい状況だった。

そのときに、どうすればいいかと考えていたときにふと、自分の子どものころのようすを思い出した。

私自身、幼児期にアトピー性皮膚炎があった。朝起きてパジャマを脱いでシャツに着替えるときに、裸になってぼりぼりからだを掻いていた。おそらく、みんなもやっていると思うけれど。そのときのことを思い出していて思いいたったことがある。それは、からだをぼりぼりと掻いてはいたけれど、血は出ないということ。白い粉はいっぱい落ちるけれどね。

ということは、ひょっとすると、非常に乾燥した状態にあるほうが、皮膚というものは強いのかもしれない。そう思って、リバウンドが収まらない子どもをよくするために、うまくいくか自信は持てなかったけれど、いっさいの保湿をやめさせてみた。すると、まずは非常にひどい離脱症状が出た。保湿剤をやめただけで、ステロイドをやめたとの同じくらいひどい状態だった。ほんとうにこの方法でよいのかと心配して診ていたけれど、1週間ほど経つとちょっとましになってきた。そして十日ほど経つとあきらかによくなり始めた。そこで、そのまま保湿しないでいってよくなっていった。

ステロイドをやめたあとでも保湿を続けている場合には、赤みがいつまでも続き、掻くと深い傷ができるわけね。血も出るし。だから、そんな状態から抜け出るためには、皮膚を乾燥させないといけないのではないか、ということで、そこではじめて「脱ステロイドのときには『脱【軟膏】』が必要だ」ということを思いついたわけ。その段階ではまだ「脱【保湿】」とは言ってはいない。あくまでも「脱【軟膏】」なわけね。それでも、ステロイドをやめるときに軟膏もやめさせたら、みんなよくなっていくことがわかったというわけだ。

■軟膏によらない保湿行為に気づいて「脱保湿」へ
こんどは私が名古屋市立大学に移ってからの話。ステロイド離脱後に軟膏はいっさい塗っていないけれど、全身にさらしを巻いてからだを防御している子がいた。たしかに外用はしていなくても、実際にはこれはものすごい保湿行為になる。そこで、このさらしをいっさい取って、保湿の状態をなくしてみるとよくなっていった。さらに、水をたくさん飲んでいる患者さんは治りにくいですよ、という看護師からの指摘もあった。そういうことはうすうす気づいていたけれど、この看護師さんはずばりと言い切った。

これらすべてを総合して考えてみると、ステロイドをやめるときには「皮膚の表面を湿らせている行為すべてをやめさせないといけない」という考えにたどりついた。そこで「脱【軟膏】」から「脱【保湿】」が必要なのだと思うようになった。なにしろ、やってみると、患者にはそれがいちばん効いた。これが私が脱保湿の必要性に思い立った経過というわけだ。

■患者からの質問と答え

■(質問)保湿行為には、ほかにはどういう行為があるか
●(答え)分厚いガーゼ、リント布、包帯を巻くこと、通気性の悪いものを当てること。裸で生活しろとは言わないけれど服を着ること、水をたくさん飲むこと、超酸性水をいつも肌に噴霧し続けることのほか、化粧をすること、日焼け止めを塗ることも保湿になる。

■(質問)汗がじめっと出るときに湿疹が出たり、掻き傷が深くなる気がする。汗も保湿になるということか
●(答え)汗をかけばたしかに、保湿にはなるとは思う。ただし、汗のかき方の種類によって性質がちがうようだ。運動して出る汗と、暑さで出る汗は性質がちがう気がする。まわりが高温でじわっと出るの汗はものすごくかゆくなり、掻いたあともひどくなるみたいだ。いっぽう、運動したときの汗はあまりかゆくならないのでは。運動したあとでたくさん汗をかいたあとよくなるのは、運動をしたせいなのか、汗をかいたせいなのかよくわからないけれど。

■(質問)シャワー後につっぱる肌をわずかな汗でなじませるために歩いているけれど、保湿行為になるか
●(答え)保湿といえないわけではない。けれど、汗をかくためならば、それは運動しているともいえるし。そもそも、その行動はどちらを重視しているかをよく考えてみてほしい。それによって答えは変わる。この場合は、おそらくは運動するよさになるのだろう。でもまず、健常者の肌ならば入浴後につっぱって痛いということはないのだから。そういうことをしないですむようになっていかないといけない。そこまで治っていくには運動は欠かせないはずだ。

■(質問)風呂屋や温泉に行くのはよくないものか。回数によるのか
●(答え)入浴するのでも、目的に応じて具体的に考えないといけない。自宅の風呂にじゃぽんと入ってすぐ出るのと、温泉に健常者のように何十分もじっと湯に浸かっているのではことなるはずだ。たとえば、硫黄が含まれる温泉に入るのはいいのかどうか。場合によっては湯の成分で悪くなることだってあるかもしれない。どんな成分が含まれていて、どれだけの温度で、どのくらいの時間入浴するかまで考えるべきで、そこまで考えて判断してほしい。たとえば、入院中はシャワーしか入らない。いっぽう、豊富温泉に行った人ならわかるだろうけれど、温泉では感染症をおたがいに感染させ合う危険性もある。そう考えれば、短時間のシャワーが安全だ。家にいてひとりで生活しているなら、湯船に入ってもかまわないと思う。だが、もし感染症が起きたときにきちんと流さないと再発してしまうだろう。温泉や風呂といっても、どういうものかよく見ないと、よしあしはわからない。もちろん、皮膚症状の状態によっても、風呂が皮膚へどう寄与するかは変わるはずだ。

■(質問)脱保湿を行ったときにも、脱ステと同じ症状が出たが、どういうことか。感染症も起きやすいのか
●(答え)いやもう、全身から浸出液がだらだら出るし、かさぶたもたくさん出るし、真っ赤になるし、ほとんど同じ状態だ。おそらく、感染症も起きやすい。そういう状態であれば、皮膚でステロイドホルモンが作り出されていないだろうから、通常よりも余計に感染症にかかりやすいだろう。滲出液が出ている状態はばい菌にとっていちばんいい状態だ。人間の血清などはばい菌にとっていい栄養になるわけ。

■(質問)退院後に洗顔剤は使えるか
●(答え)そのときのあなたの皮膚の状態によると思う。症状がよくなってきたら、いまは出ていない皮脂が出る。乾燥している状態は石鹸などで洗うと、皮膚をしばしば悪くする。だがもし、皮脂が出てくるならば、石鹸を使って皮脂を半分落とすことはいいだろう。皮脂をぜんぶ落としてしまうのはよくないけれど、少し落とすなら気持ちがいいならば。ばい菌なども皮脂のところにいるので、それを取れば感染を起こしにくくなるだろうから。もしあなたが退院するときに、頬や額の皮膚が皮脂を出しているかどうかによって対処方法がことなるはず。皮脂が出ていないいまの状態なら、石鹸を使わないほうが安全だ。

■(質問)ステロイド離脱をすると日焼けをしやすくないか。
●(答え)ビタミンDがきちんと算出できればいいということなので、積極的に長時間の日焼けをするべきではない。時間や季節にももちろんよるが、顔であれば15分間程度太陽の光を浴びれば、ビタミンDの必要量を作るのに十分だという話もある。もともと、脱ステをしているひとは皮膚の炎症で肌色が黒っぽくなっている。黒という色はいちばん光を吸収するから、炎症を起こしやすいとはいえる。色黒になっているぶん、色白な人に比べて紫外線を吸収しやすいので、炎症は起こしやすいということ。

夏に女性がよく黒い長い日焼け止めのアームカバーをしているけれど、あれは私にとっては「なんでわざわざ黒いカバーをしているのかなあ」と謎だ。黒い色で光を吸収して、わざわざ暑くしていることになる。白い色のカバーでも、繊維が緻密であれば光を遮断する。白い色は光をよく反射するから少し涼しくなる。黒いのは熱を吸収してわざわざ暑くなるようにしているだけだからね。

■(質問)退院してから再悪化することがあるというのはどういうことか
●(答え)退院したら2/3くらいの患者はちょっと悪くなるというのは、それは事実。原因はよくわからない。たしかに、たんに場所が変わるだけでも悪化する人はいるようだ。ただ、はっきりわかっているのは、退院後には毎日診察してもらえない不安というはあるだろうから、それは理由としてはかなり大きいのかもしれない。

もちろん、人によって季節的な理由などはある。それでも、入院中に得たことを落ちついてやっていくしかない。

みんな、入院と同じようにしているつもりでも、実際にはできていないのだと思う。いちばんは、水の問題。たとえば、食事に含まれる水分量は入院しているとカロリー数に7割から8割をかけた量になる。ところが、家に帰ると、たとえば食事に鍋物を選ぶと、水分も塩分も多い。食事による水分摂取量が増えているのに、飲水量を変えないでいたら水分摂取量は多くなってしまう。体に入る水分のルートをぜんぶ考えないといけない。

■(質問)食べ物や飲み物で避けるべきものはあるか
●(答え)とくにあるわけではない。その人にとって特別にじんましんなどが起きるとか、アナフィラキシーを起こすようなものがあるならば、それはやめたほうがもちろんいい。そうではないならば、とくに意識する必要はない。何かを食べたらよくなるということもないし、何かを食べないとよくならないということもない。バランスよく摂取していたら問題はない。ただ、脱ステして症状がひどく、滲出液がたくさん出て、瘡蓋がたくさん出るようなときには、血液のなかからタンパク質や脂肪がものすごく大量に漏れるので、これらをきちんとをとらないと、治すための材料がない。

■(質問)完治した例はあるのか。見た目も健常者と変わらず、水分制限もしないですむ患者はいるのか
●(答え)私もそうや。むかしはアトピー性皮膚炎の症状があったもん。

もちろん、「完治」とはなにかを定義づける必要がある。遺伝的な意味であれば、遺伝情報は残る。けれど、症状としての「完治」であれば、症状がまったく起こらなくなることはある。だから、自分は治っても遺伝的に残る可能性があるから、子どもが発症することはある。けれど、その悪い遺伝子が多く子どもに伝わらなかったら、子どもも発症しないこともある。
 
 
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